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Somos Salseros

~ Tokujiro presents ~

~ Talk, Dance & Music ~

はじめに

サルサに携わる者であれば、ミュージシャンでもダンサーでもDJでも、誰もが一度は思うであろうこと。

『みんなで何かが出来ないか?』

その実現を阻むのは、それぞれのスタイルの違いであるかもしれないし、単純に横のつながりが無いからというものかもしれない。

​音楽的に言うとニューヨークサルサ(プエルトリコのサルサも含め)にはOn1(オンワン/LA)、On2(オンツー/NY)といったダンススタイルがあり、それぞれにインストラクターがいてそれぞれの生徒さんたちがいる。

キューバンサルサの場合は、ルンバやサンテリーアなどアフロ系の踊りは別として、ひとつの音楽に対してニューヨークサルサのように幾つかのスタイルがあって、、、というわけではなくキューバンサルサを教えるインストラクターがいるだけ。ソンにはソンのインストラクターが存在してもいいようなもんだが(ソンのステップはコントラ・ティエンポといって一般的なステップとはタイミングをとる場所が異なる)。

ともかく、大別するとニューヨーク、キューバをひっくるめたサルサという音楽には上記のように3つのダンススタイルがあり、そのことが『みんなで何かを出来ないか?』の実現を難しくしてきたのかもしれない。

単純に面倒くさいから、かもしれないが。

ぼくがサルサを演奏し始めた20年くらい前は映画『Buenavista socialclub』が世界的に流行した後でもあり、関西でもサルサを演奏するオルケスタ編成のグループがアマチュアだけでも5つ6つはあったと思うし、今に比べるとイベントの数も多く、お客さんの数も多かった。

今ではそれだけあったグループもすっかり減ってしまって、当時から続いているグループは1つだけ。

リーマンショック以降、それまでサルサ(ラテン)シーンを盛り上げていたペルーやブラジル等からの労働者が激減したこともあり、彼らが主催していたようなイベントがすっかり減ってしまい、現在では当時に比べると随分と寂しくなってしまった。

20年前に比べるとインストラクターの数も増えたし、踊る人の数も増えたのは増えたんやけど。。。

ダンサーさんやDJの人と話す機会がある時によく耳にするのが『新しい顔が増えない』、『若い世代の人が定着しない』といったこと。これはサルサ(ラテン音楽)に限った話ではなくて、ニッチな音楽に関わっている人達には共通の感覚ではないかと思う。

20年前と比べればライフスタイルも遊び方も変わってるし、最近の若者の車離れっていうのも根っこはこれと同じなのかもしれない。

そうとしても、30代の人達にももちろんのこと、とくに20代の若い世代の人達に興味を持ってもらって繋げて行かないと早晩関西のサルサの火は消えてしまうかもしれない。

そうならないためにも、少なくともわれわれミュージシャンやインストラクターは若い世代の彼らにとって何かしら魅力があって格好いいと思われる存在でないとあきませんね。

少し話が逸れましたが、サルサ界隈の高齢化と過疎化が目に見えて進んで来ているようなので、たとえばAさんだけが、Bさんだけが頑張って生徒さんやお客さんを増やしたところで、ブームになるくらいの人が集まらない限り全体から見れば微々たるものです。

全体の底上げを目指すのであれば、やはり『みんなで』一緒にやって行かないと難しいんじゃないかと思います。

 

『みんなで』の逆の例ですが、Aさんのイベントのチャージが他よりも安く設定されて人も入るようになった。結果他もそれに右にならえで安く設定するようになった。おまけに無料でダンスレッスンもやり始めた。それが定着すると。。。

・少々しんどくてもチャージを値上げ出来ない。
・インストラクターの通常のレッスンへ足が遠のく。

・安いチャージで慣れたひとはライブのチャージを高く感じ足が遠のく。

などなど、、、ごく身近にあるデフレのサンプルそのものですね。

この例のような状況を変えようと思えば、『みんなで』せ〜のでやらないと効果がないですよね。

15年〜20年というともう昔話の域ですが、当時はサルサのイベントにはバンドは付き物でした。

ひとつのイベントに2つのバンドが出ることもありましたし、5つも6つもバンドが出演するライブのイベントなんていうのもありました。

つまり、今のように生音で踊ることが珍しくなく、踊る人達も生の音で踊ることに慣れていたように思います。

当然身近に生音があったので、どの楽器がどんな風に演奏しているかということも、ライブで踊ることとCD等の音源で踊ることの違いなんかも踊る人達はみんな肌で感じていたんじゃないかと思います。

ライブは音源のように音量も一定ではなく、小さいところは小さいし、盛り上がると音量も熱量も上がります。音楽好きなダンサーさんはバンドの抑揚に合わせて一緒に盛り上がるところは盛り上がったり、という楽しみ方をされます。CD等の音源では音量をある程度均一に仕上げているので、生音ほどの音量差はないのが普通です。

聞いた話では、最近サルサを踊るようになった人の中にはライブを観たことがないという人も結構いるようですね。

ニューヨークものにせよキューバンにせよ、サルサはダンスミュージックなので音楽と踊りは切り離せないものです。

東京ではデ・ラ・ルスやデル・ソル、Swingoza、関西ではバンダ・リブレやソン・デ・カリブレなどをはじめ、日本にも素晴らしいバンドが沢山あります。関西方面は少な目ですが、東京には海外から年に何度かミュージシャンやバンドも来日しています。

ライブ未体験の人にはぜひそういう素晴らしいバンドで、音楽としてのサルサの格好良さ、その音楽で踊ることの楽しさを体験してもらいたいですね。

音楽シーンとダンスシーンは一蓮托生。

バンドの人間としては自分たちの音楽で踊って欲しいと思いますし、ダンスシーンが元気がないと聞くと寂しいというか心配になります。ダンスシーンの盛り下がりは、ひいては(サルサという)音楽シーンの盛り下がりにも直結していますしね。

兎にも角にも、10年以上放置されて来た問題なのでなかなかに時間もかかるであろうと思われますが、これ以上放置すると手遅れにもなりかねません。

ぼくの主催しているラテンセッションは今年10周年を迎えますが、ようやく関西以外の関東や東海等でも認知されるようになりました。そして、20代前半くらいの若い世代の人間がコンスタントに来てくれるようになったのはここ2〜3年です。

今回のイベントは3〜4ヶ月に一度程度の予定なので、時間がかかることは覚悟しておかないとダメですね。

しかし、ミュージシャン、ダンサー、DJなどサルサに携わる『みんなが一緒に何かをする』ことが果たして『新しい顔』や『若い世代』を呼び込むことに繋がっていくのか、そして彼らが定着してくれるのか、それはまったくの未知数。

もしかすると何の効果も無いのかもしれない。

かといって何もしなければ、アイドルや有名なタレントやYouTuberがサルサを取り上げて流行らせない限り、現状が変わらないことは明らか。

また、これまでサルサという音楽や踊りと縁のなかった人へサルサというものを届ける手段として、自分のような無名のミュージシャンがやったとてどれほどの効果があるのかは分かりませんが、不定期ながらYouTubeを使ってサルサというものをミュージシャンの視点から解説する動画を配信して行こうと思います。

『ミュージシャンによるダンサーのためのサルサ講座』という名目で配信して行きますが、サルサに興味のあるひとなら誰が見ても面白い内容になるのではないかと思います。

サルサに携わる人たちがこれまできっと同じように思いながら実現しえなかった『みんなで何かが出来ないか』。

関わる人間が増えれば増えるほどそこにはそれぞれの思惑があり、利害があるので当然かもしれません。

でも今こそ『みんなで何かを』やらなければいけない時なのではないかと思います。

海を肥やすために山の手入れをするみたいに、ひいては自分たちのところにフィードバックされることなので。

ミュージシャン、ダンサー、DJがはじめに書いたようなスタイルの違いを越え、ひとつの目的のもと一堂に会し、様々なテーマについて自由に話し合い、時には実際の演奏や踊りも交え、会場からの質問等にも必要な時は実演、実技で応える。

ワークショップのような、座談会のような、そんなイベントを目指します。

この配信やイベントを通じて、たとえひとりでもサルサに興味を持ってくれて、だれかのレッスンに通うようになったり、ライブに足を運ぶようになったりしてくれれば、この企画は正解だったと言えるのではないでしょうか。

とにかく継続して発信をしていきたいと思っていますし、『みんなで』現状を動かしていきたいと思っていますので、今後ぼくや共同企画のユキさんから色々な方に声を掛けさせて頂くことになると思います。

もしこの企画の意図に賛同して頂けるようでしたら​、イベントへの参加やYouTubeでのインタビュー等お願いすることがあるかと思いますので、その際はご協力いただけると幸いです。

 

サルサに携わるみなさん、何卒宜しくお願い申し上げます。

2020年2月某日

とくじろう