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アバクア(シカナの伝説)

アバクア(Abakuá)・ニャニゴス(Ñañigos)

 

シカナ(Sikana)の伝説

 

エフォク族の処女の女シカナはオルダン川(Oldán)へ水を汲みに行った。

オルダン川はエフォク族(Efik)とイフォル族(Ifor)の領土を隔てる川。

すると水と一緒にタンゼ(Tanze)という魚がカメに入ってきた。

タンゼはアバシィ神(Dios Abasí)の化身で、ある音を発していた。

 

タンゼがエフォク族に居るおかげで作物は豊作で、人々は健康で、そして十分に獲物を狩ることが出来た。

 

地域の平和を確かなものにするため、彼女の父イヤンバ(Iyamba)はイフォルのライバル、エフィク族の王、モコンゴ(Mokongo)の元へシカナを嫁がせることにした。

 

同盟によって平和な時が流れ、あるときシカナは夫であるモコンゴに

タンゼの秘密をバラしてしまい、その後神聖な魚は死んでしまう。

 

そして両部族に大きな災いがふりかかった。

 

魔術師のナサコ(Nasakó)に意見を求めたところ、彼はシカナの行いを非難した。

それによってモコンゴ、イヤンバ、エクエニョン(Ekueñón)(裁判官)は彼女を生け贄にすることにする。

 

シカナを殺そうとした時、エンクリィカモ(Enkríkamo)が現れた。

エンクリィカモは全てを見通す子供で、そのため彼に見えないよう秘密裏に

処刑を始めなければならなかった。

するとイレメ(Ireme)、つまり小悪魔(Diablito)のエリバンガンドォ(Eribangandó)がやってきてシカナを清め、生け贄の儀式の準備をしてくれた。

 

また彼らの他にアベリスン(Aberisún)とアベリニャン(Averíñan)の2人のイレメが現れ、アベリスンはシカンを押さえ、アベリニャンが首筋への一撃で彼女に死をもたらした。

 

補足: タンゼの発する音(うなり声のようなもの)を再現しようと、神聖な太鼓エクエを用いて様々な試みがなされたがうまく行かず、最終的にシカンの体の皮をエクエの皮として使うことが決まった。

 

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シカナの伝説にはよく似た様々なバージョンがあり、上記のものがマタンサスではもっとも知られているが、マタンサスのアバクアの老人たちの間では、シカナはタンゼの秘密をバラしたりはせず、民衆のために生け贄になったのだ、という説が支持されている。

 

実際のアバクアの儀式はこの伝説になぞらって行われるが、参加者はそれぞれ伝説の中の人物になりきり、その儀式はさながら劇場にみる悲劇のようである。

   

実際の儀式ではシカナの代わりに子やぎが生け贄として捧げられる。 

アバクア
セネガル/ガンビア
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