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A la carta
セルフライナーノーツ

期限は決めずに、ただ3枚目のアルバムのテーマは『Bailable(ダンサブル)』で!ということで制作に入った2年前。

音と映像を同時に制作して発表しよう!という若干の方向転換を経てリリースとなった本作品。

これまでの7sonoraの流れを汲んだ楽曲や新たな方向性を提示する楽曲、そして原点に立ち返ったような楽曲もあり、曲数は4曲と少ないものの、まるでレストランの1品料理のようにそれぞれタイプの異なる仕上がりになったことから、今回のタイトル『アラカルト』と名付けました。

今回のレコーディングの経緯や各楽曲のエピソード等はこのライナーノーツやブログに記したので、曲と共に楽しんでもらえればと思います。

また歌詞については、今回のCDは紙面の都合から日本語訳のみの記載なので、スペイン語の歌詞をこちらに用意しました。

各ライナーノーツにも書きましたが、今回の作品もすべて手塩に掛けて創り上げた可愛い子たちです。

 

どうぞ楽しんでやって下さい!

今回歌詞にいちばん手こずったのがこの曲。

いちど全く違う内容で、日本語で書き始めたもののボツになって、そこからは全く出て来なくて。。。

丸ふた月以上は悶々としてたかな。。。

そんなふうに悶々としてたある日、ふっと出て来たのがAメロの『Happy Birthday』という言葉。

​元々この曲は英語と日本語、あるいは英語とスペイン語の歌詞のイメージがあったので、この冒頭の歌詞が出て来てからは我が意を得たりで、それまでの悶々がウソのように、2〜3日で仕上がった曲でした。

曲調はもちろんですが、歌詞の内容もこれまでになかったタイプなので自分にとっても斬新で、長い悶々があった分余計に書き終えてからの充足感が大きかったですね。

アコフェロの森川さんは作詞や作曲を仕事にされている人ですが、ハッピーな内容の歌詞が出て来る時っていうのは得てして、自分の精神状態が真逆の状態の時が多い、みたい。

たしかに、実際そういう心持ちの期間が長く続いてて、自分の書いた歌詞に自分の心が引っ張り上げられるっていうのを今回初めて経験しました。

だからみんなハッピーな曲書くんかぁ!!!って心底思ったくらいです。

ま、みんながみんな、全部が全部そうやないでしょうけどね。

​ともかく、今回の4曲中最後に出来た曲ですが、自分にとっても7sonoraにとっても節目になる曲になったような気がします。

アレンジの面ではこの曲がいちばん苦労した曲です。

この曲をスパニッシュにしたのは最初に曲をもらった時の第一印象かな。

歌詞にしてもアレンジにしても、まず第一印象である程度方向性を決めることが多くて。

今回のコンセプトがバイラブレやとはいうものの、いわゆるソンやサルサ一辺倒にはしたくなかったってのもあるかな。

スパニッシュだってバイラブレやし、ベリーダンスを踊るあの音楽にしてもバイラブレやし、もちろんサンバもバイラブレやしね。

でも方向性を決めたとはいえ、フラメンコの知識は皆無に近いし、音源を山盛り聴き倒しました。

フラメンコをやってる先輩のパーカッショニストに話を聞いたり。

で、いちばんイメージに近かったタンゴを少し掘り下げて、コード進行や特徴的なフレーズや構成なんかを何曲もコピーしてみたりして。
 

元の曲のコードを付け替えたり、足りんパーツを作ったり(半分くらいは作ったパーツ)。

でも、あまりそっちへ寄せ過ぎると7sonoraでやる意味がなくなるし。。。

そうやって出来た曲がこの曲ですが、まぁ元の曲と比べたら全くの別人になりましたね。

ノックは無用の魅惑の変身ばりに(笑)

フラメンコの匂いはさせつつ、キューバっぽさも残し、バイラブレで、なおかつ3人でのライブでも再現可能で。。。

なかなかな縛りの数ですが、一応全部クリアしてると思います!

これはこれで、前作までの雰囲気を引継ぐという意味で7sonoraっぽいと思うんやけど、どうかな???

歌詞を書くのに曲をもらって、よし!取り掛かるぞ!となると、一度聞いてみる。

インパクトの強い曲は一度聞くとぼんやりと絵が浮かぶ。

そうでない場合はまた聞いてみる。そしてまた聞いてみる。

その繰り返しで、ある程度風景や絵が浮かぶまでひたすら何回も聞く。

で、ある程度風景や絵が浮かんだら、それを言葉に置き換えていく。

単純に言うとその作業がわしにとっての作詞の作業。

この曲は案外すっとイメージが浮かんだ曲で、方向性の確認でもNANAからOKをもらって書き始めました。

映像的には1枚目の『Estoy bien』と似た季節感と色合いで、晩秋から初冬。

この歌の主人公はある知人をモチーフに書いたんやけど、今回は7割はわしの想像。

あんな風に見える人でも、実はこんな風に思ったり感じたりすることもあったりして、でもそれらすべてを受け入れて生きてるからこそあんな風に見えるんやろうなぁ。みたいな。

秋を感じ始める頃や冬の到来を感じる頃の、あの何とも言えない、胸をかき乱されるような、あの感覚。。。

人肌恋しいとか、切ないとか、そういう言い方が一般的やけど。

空虚・虚無・孤独、あるいは絶望。。。

そんな色んな感覚が混じり合って、うまく表現出来ない何か得体の知れない感覚、をその頃になると感じることがある。

欲しいものも地位も手に入れ、自分が理想として思い描いて来た自分になれたように感じてはいるものの、ふと、果たして本当にこれが自分の目指していたものなのか、、、と感じ、歩いて来た路を振り返ってみる、そんな初冬。。。

この歌はそんな主人公の心の葛藤を描いてみました。

Love letter - Una confesión de amor -

前作の『あなたのいた風景』以来の作詞作曲で、おおよそ4年振りくらいかな。

ちょうどNanaが『Birthday』をこっちへ送って寄越そうか、、、というタイミングの時にどうしても書きたくなって、この『Love letter』を先に仕上げてから『Birthday』に取り掛かったという、ね。

だからどっちも手紙形式なんかな???

いや、たまたまです。

Birthday』の歌詞が出来るのは『Love letter』のふた月後なんで。

前々からどうしても書きたかったのが、いわゆるキューバのトローバ。

 

次回のアルバムはバイラブレで、というだけでなく、3人だけでやろうというのがコンセプトになってたんで、ならやはりそれぞれのルーツに繋がる曲を書きたいなぁ、という思いがあって。

本当はショーロの曲も書きたかったんやけど、その前に録音のハナシになってしまったんで間に合わなかったんですが、いずれショーロの曲も書きます。

トローバもショーロも時代的には同じような時代に生まれたものやし、どちらもギターで伴奏されるものなんで、今回の『Love letter』はまさにわれわれ7sonoraの『キューバ音楽とブラジル音楽を掛け合わせ、そこから独自の何かを生み出す』という本来のコンセプトどおりのものになりました。

曲のフォーマットはトローバ。言葉もスペイン語。ということで、一見キューバ寄りではあるけれど、ギターが見事にブラジル寄りなんでそれほどキューバ色が濃く出てないんですね。

7sonoraの名刺代わりにもなるような、そんな1曲になったんやないかなと、自画自賛しておきます(笑)

歌詞の内容は、ほぼ実話です(笑)

ずっと片思いで、でも友達として仲の良かった子がいてね。

ものすごく近くに居るのに、どうしても届かない、越えられない、伝えられない。。。

あ〜〜せつな(笑)

いいねぇ。。。甘酸っぱいのん。

臆病なだけ、とも言うけど(笑)

今回の4曲の中で唯一実際のライブでも演奏したことのある曲ですね。

次に作るアルバムはバイラブレ(ダンサブル)なものにしたいね、ということで最初に出て来た曲ですわ。

 

歌詞もさることながら、アレンジにもなかなか手を焼いた曲でした。

曲をもらった時点でこの曲はいわゆるサルサのフォーマットやろなぁ、とは思ったものの、送られて来たメロディーのクラーベ感がどうもしっくり来なくて、途中クラーベチェンジを挟んだり、足りないパーツを作ったり、順番を入れ替えたり。。。

結果、けっこうストレートなソン寄りのアレンジになりましたね。

歌詞の方は、いちばん先に出来た曲ということもあってか、これまでの中身を色濃く引継いだモノになっています。

合理主義が過ぎても心がカサカサするし、かといって他人を慮って優しくなり過ぎても結果心は窮屈になるし、、、ほんまに何事もバランスやなぁ。。。

年を重ねて来てそう思うのか、時代がそうさせるのか。。。

子供の頃みたいに、なんにも考えんと無条件で、ただただ笑いたいと思うし、そうでなきゃアカンよね。

現実を目の前になかなかそう出来へん人も少なくないと思うけど。

でもだから、そんな願いも込めて、せめて今日1日くらいは笑お。そう歌ってみました。

そこから何かが始まるかもしらんもんね。

Love letter
Gira y gira
Birthday
Vamos a reir
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